
加齢により歯を失うと、食事やコミュニケーションに影響が出てきます。失った歯は入れ歯やインプラントなどの治療を受ければ補うことが可能です。
しかし老後のインプラントはデメリットが多いという話を耳にしたことはありませんか?確かに老後のインプラント治療はさまざまなリスクを伴いますが、一方で成功すれば多くのメリットが得られることもあります。
今回は老後のインプラント治療のメリット・デメリットや注意点について解説します。
老後にインプラント治療をするデメリットは?
歳を重ねると病気になりやすくなるだけでなく、筋力や体力が低下して体が思うように動かなくなることもあります。そのためインプラント治療が受けられなかったり、治療を進めてもうまくいかなかったりすることも珍しくありません。
ここではいくつかのデメリットについて詳しく解説していきます。
通院できなくなるリスクがある
インプラント治療をするとなると検査や2回にわたる手術、術後のメンテナンスなど、長期にわたって歯科医院に何度も通院することになります。
しかし高齢になるにつれ思わぬ病気にかかったり、ケガをして入院するリスクが高くなります。すると通院が難しくなり、インプラント治療を続けることが難しくなってしまうでしょう。
入れ歯と違って治療に長い期間がかかる点は、高齢者にとってデメリットといえます。
費用負担が大きい
インプラント治療はインプラント本体の料金や手術費用まで含めると、歯1本あたり30万〜50万円ほどかかります。本体の素材や手術の難しさによってはそれ以上かかることもあるでしょう。
老後は仕事も定年を迎え、収入が不安定な場合も多いため費用負担が大きい治療は現実的ではないかもしれません。費用をなるべく抑えたいとなると、入れ歯を選ぶ方が多くなるようです。
外科的手術に耐えられる体力がない
手術の必要ない入れ歯やブリッジとは違い、インプラントは外科的手術を伴う治療です。それほど大きな手術ではありませんが、高齢者の場合は体力が落ちている場合も多く、体の状態によっては手術ができないと判断されてしまうこともあるでしょう。
また手術は細菌感染のリスクがあります。高齢者は免疫力が低下しているため、手術によって細菌感染を起こす可能性も考えられます。
持病や骨の状態によっては手術が受けられないことも
高血圧や糖尿病など全身状態に関わる持病がある場合、薬などの影響でインプラント治療を受けられないことがあります。
またインプラントは顎の骨に部品を埋め込む治療になります。そのためそもそも顎の骨が薄い、骨粗しょう症で骨密度が低いといった場合には、インプラントを埋め込むことができません。
加えて問題なく手術が受けられても、うまく骨に定着せずに治療が長期化する場合もあります。
老後のインプラント治療にメリットはある?
老後のインプラントにはデメリットやリスクがある一方で、治療がうまくいけば多くのメリットが得られます。ここではインプラント治療によって期待できるメリットについて解説します。
噛む力を維持できる
入れ歯の場合は噛む力が弱くなり、硬い食べ物は制限されてしまうことが多いです。しかしインプラントは顎の骨に埋め込む治療であるため、天然歯と噛む力がほとんど変わりません。硬いものでも問題なく咀嚼できるため、今まで通り好きなものを食べられます。
コミュニケーションがとりやすい
歯を失ったままだと言葉の発音がうまくいかず、相手に言葉を聞き取ってもらえないことがあります。インプラント治療をして失った歯を補えば、発語に影響がなく円滑なコミュニケーションを楽しめるでしょう。
また入れ歯の場合は金具が目立つこともありますが、インプラントは天然歯と変わらない見た目を実現できます。
認知症のリスクを軽減できる
歯を失った状態では硬いものを避けて柔らかいものばかりを食べるようになります。すると咀嚼による脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクが高まるとされているのです。インプラントで噛む力が回復すれば、自然と咀嚼回数が増えるため認知症のリスクを下げることにつながります。
老後のインプラント治療はするべき?
メリットとデメリットどちらもあるインプラント治療ですが、結局老後にインプラント治療はするべきなのでしょうか。
答えは「どちらでもない」です。持病や骨の状態などは人それぞれであり、インプラント治療がリスクとなるかどうかは個人によって異なるためです。また「費用をできるだけ抑えたい」「噛む力を取り戻したい」など人によって優先すべきことも違います。
詳しいことはインプラント治療に詳しい歯科医師に尋ねてみましょう。口腔内の状態やライフスタイル、希望条件に合わせて最適な提案をしてもらえるはずです。
老後にインプラント治療を受ける場合の注意点
メリットとデメリットを比較したうえで「インプラント治療をしたい」と希望される場合は、以下の注意点を頭に入れながら治療を進めていきましょう。
歯科医院選びが重要
高齢者の中にはかかりつけの歯科医院があるという方も多いでしょう。しかしインプラントをするためには十分な検査と手術をするための設備、豊富な知識と経験を持つ歯科医師が必要です。かかりつけの歯科医院では対応できないケースもあるため、一から歯科医院を探す必要があるかもしれません。
まずは一度かかりつけの歯科医院に相談してみましょう。骨造成など特別な処置が必要な場合は断られることもありますので、その場合はインプラント治療に特化した歯科医院を探してみてください。なお、安さだけを売りにしている歯科医院には注意しましょう。
持病がある場合は歯科医師やかかりつけ医に相談を
持病があり薬を服用している場合は、インプラント治療に踏み切る前に必ずかかりつけ医に相談してください。高血圧や糖尿病など一見関係ないように思える病気でも、思わぬリスクが潜んでいる場合もあります。
また担当の歯科医師にも持病や服用している薬の種類を共有するようにしましょう。
通院する方法を考えておく
高齢者の場合は足腰が弱く交通機関の利用が難しかったり、免許を返納していて車を運転できなかったりと移動手段が限られている場合もあるでしょう。
- 通える範囲の歯科医院を探す
- タクシーを利用する
- 家族に送迎してもらう
- 送迎サービスのある歯科医院を探す
このように無理なく通院が続けられる方法を考えてから、インプラント治療を始めてください。
術後のセルフケアはしっかりと
インプラントの手術を受けた後は、念入りにセルフケアを行いましょう。特に高齢者の場合は歯ブラシの際に手や腕に力が入らなかったり、視力が落ちていて磨けているかチェックするのが難しい場合があります。また認知症を発症すると、歯をケアする方法自体が分からなくなってしまうこともあるでしょう。
インプラントのケアが不十分だと「インプラント周囲炎」になってしまいます。インプラント周囲炎はインプラントの周りに汚れが溜まって炎症が起き、歯肉が腫れたり出血したりする状態です。悪化するとインプラントがぐらつき、取り外す事態になることもあります。こまめに歯を磨くことを心がける、家族やヘルパーの手を借りるなど工夫しながらセルフケアを怠らないようにしてください。
まとめ
今回は老後のインプラント治療におけるデメリットについて解説しました。高齢者の場合、持病や体力の低下などが原因でインプラント治療が受けられないことがあります。また予期しないケガや病気などで通院ができず、治療が続けられなくなることも考えられるでしょう。
一方で治療が問題なく進めば、今まで通り硬いものを食べられる、認知症のリスクを減らせるなどメリットもあります。メリット・デメリットを比較したうえで、自分に合った治療法を検討してみてください。
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