インプラント治療を検討している方の中には、「インプラント治療をおこなうメリット・デメリットを知りたい」「インプラントの種類や他の治療との違いを知りたい」と考えている方も多いでしょう。
インプラント治療は、失った歯の部分に人工歯を埋め込む治療法です。健康な歯に影響を与えることが少なく、自然な歯と同様の使用感と見た目を取り戻せます。一方で、保険適用されない点やメンテナンスが大変などのデメリットもあるでしょう。
ここでは、インプラント治療のメリットやデメリットについて解説します。他の治療との違いや、治療の流れについても紹介していますので、インプラント治療を検討している方は参考にしてください。
インプラントとは
インプラント治療とは、失った歯の代わりに顎の骨に人工歯を埋め込む治療です。この顎の骨に埋め込む部分をインプラント体といい、アバットメントという連結する部品を取り付け、義歯をかぶせます。
インプラント体は顎の骨と癒着するため、自然の歯と同様に使用できることが特徴です。しっかりとメンテナンスを受ければ、10〜15年と長く使い続けられます。
また、ブリッジや義歯などの治療と比べて、噛む力が強く寿命も長いうえに見た目の良さから、インプラント治療を選択する方は増えています。
ただし、多くのメリットがある一方で、治療費の高さや外科手術の必要性などから、負担やリスクが大きい治療法ともいえます。
インプラント治療のメリット
インプラント治療のメリットは、主に以下の5つです。
- 自分の歯と同様に噛める
- 見た目が綺麗である
- 周囲の健康な歯を守れる
- 骨が痩せるのを防げる
- 丈夫で長持ちする
それぞれのメリットを詳しく解説します。
自分の歯と同様に噛める
インプラント治療で埋め込まれた人工歯は、自分の健康な歯と同じように噛んだり、話をしたりできることがメリットです。
そのため、入れ歯を使っている人のように、硬いものが食べられない、違和感があって噛みにくいという不満はありません。
天然の歯と同じような自然な咀嚼力を得られ、食事や会話を楽しむことができるでしょう。
見た目が綺麗である
インプラントは、ジルコニアやセラミックなどの素材の質感や色が、天然の歯と遜色ない仕上がりになります。
入れ歯やブリッジとは異なり、人工的な歯を入れているという見た目になりにくいことがメリットです。また、金具を使用しないため、より自然で美しい見た目を保つことができます。
自然な色味や見た目の印象になるため、会話や食事の際に口を開くことに抵抗感がなく、笑顔を見せられるようになるでしょう。
周囲の健康な歯を守れる
インプラントは、周囲の健康な歯への負担が少ない治療です。
入れ歯やブリッジは、自分の健康な歯を削ったり、取り付ける際に周りの歯を削ったりするケースがあります。健康的な歯に大きな負担を与えてしまうかもしれません。
インプラントは、周囲の歯を削る必要がないため、残っている健康な歯にダメージを与えにくいことが大きなメリットです。
骨が痩せるのを防げる
天然の歯で歯根がなくなると、噛む力が出にくくなり刺激が顎の骨にまで届きません。そのため、歯を失ってしまうと顎の骨は徐々に痩せてしまいます。
インプラントは、直接顎の骨にインプラント体を埋め込む治療であり、顎の骨に直接刺激を与えることができます。その刺激から、顎の骨が痩せてしまうのを防げるのです。
丈夫で長持ちする
インプラントは、素材にチタンやチタン合金という金属が含まれているため、顎の骨としっかりと結合します。
強く噛んでも破損しないため、強く噛み締めてもある程度の強度には耐えられるのがメリットです。
また、定期的にメンテナンスを受けて、丁寧にセルフケアをおこなえば、10年〜15年と長持ちするのも特徴です。
インプラント治療のデメリット
インプラント治療のデメリットは、主に以下の5つです。
- 保険適用外のため高額になる
- 手術が必要になる
- 治療期間が長くなる
- 定期的なメンテナンスが必要になる
- 感染症のリスクがある
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
保険適用外のため高額になる
インプラント治療は保険適用外の治療であり、クリニックごとに料金設定されている上に、自由診療となります。
そのため、保険適用になっている治療と比べると高額になりやすいことがデメリットです。
インプラント治療の内容やかかる費用などは個人差があるので、事前にカウンセリングを受けて治療費を確認しましょう。
ただし、インプラント治療費は医療費控除の対象になるため、所得に応じて治療費の一部が還付されます。
また、費用が高くても治療を必要としている方が受けられるように、デンタルローンや分割払いなどが活用できるクリニックもあります。
手術が必要になる
インプラント治療は、外科的手術が必要になります。全身麻酔を使用するため、身体の状態に何か問題がある方はインプラント治療が受けられない可能性もあるでしょう。
例えば、基礎疾患がある方や内服治療をしている方は、事前にカウンセリングで適用されるか確認することが大切です。
治療期間が長くなる
インプラント治療は、通常の歯科診療と比べると治療期間が長くなりやすいことがデメリットです。
入れ歯やブリッジは数ヶ月で治療が終わりますが、インプラントは約4〜6ヶ月ほどの長い治療期間が必要になります。インプラントを埋め込んでから、顎の骨と結合するまでに時間がかかるため、短縮することはできないのです。
完全な治療が終わるまで、定期的に通院しなければならず、負担に感じる場合があるでしょう。
定期的なメンテナンスが必要になる
インプラント治療として外科手術を終えたあとは、定期的にメンテナンスを受けにクリニックへ通院しなければなりません。
定期的な通院によって、磨き残しのチェックやクリーニング、インプラントの状態を確認することが重要です。
自然の歯と同じようにセルフケアができていることも大切であり、そのメンテナンスとして通院します。
感染症のリスクがある
定期的なメンテナンスや丁寧にセルフケアができていないと、上部構造を留めているネジが緩んでしまったり、インプラント周囲炎や歯肉炎を引き起こしたりする可能性が高まります。
万が一、感染症にかかってしまうと、最悪の場合はインプラントを除去する必要が出てきます。再度、インプラント治療をすることは難しく、さらに費用と治療期間がかかるでしょう。
インプラント治療の感染症は自覚症状が乏しいため、定期的なメンテナンスとセルフケアで感染症を予防することが大切です。
インプラント治療を受けられる人
インプラント治療は、事故や怪我、歯槽膿漏、虫歯などで天然な歯を失ってしまった人、先天的に歯がない人が受けられる治療です。
人によっては1本だけの場合もあれば、全体的に治療を受ける場合があります。
ただし、インプラントは上記に当てはまる方全員が受けられるわけではありません。
外科的手術が必要になる治療のため、糖尿病や高血圧症、骨粗鬆症、心臓疾患にかかっている人は治療が受けられない可能性があります。
これらの既往歴がある方や現在服薬中の方は、必ずカウンセリング時に医師に相談しましょう。
また、喫煙を止められない人や自宅でのセルフケアができない認知機能の人なども同様に、治療が受けられない可能性が高いため、十分な相談が必要です。
インプラント治療と他の治療の違い
インプラント治療のほかにも、失った歯に対する治療法にはブリッジと入れ歯があります。ここでは、それぞれの治療の特徴やメリット、デメリットを解説していきます。
ブリッジ
ブリッジとは、失った歯の両隣にある健康な歯を削る必要がある治療です。橋をかけるように歯をつなぎ合わせた歯冠を取り付け、欠損した歯を補います。
インプラントや入れ歯よりも治療期間が1ヶ月以内と短いため、治療の負担は少ないでしょう。しかし、健康な歯を削って支える治療のため、他の歯への負担がかかってしまう点がデメリットです。
また、かぶせた歯と歯肉の間に食べかすが詰まったり、磨き残しがあると歯周病になりやすいため、継続的なセルフケアが重要となります。
ブリッジの治療費は、インプラントとは異なり保険適応される場合があります。治療内容によっては、比較的費用を抑えて治療が受けられる可能性があるでしょう。
入れ歯(義歯)
入れ歯は多くの人に選ばれる一般的な治療法であり、失った歯を補う方法として広く利用されています。
入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があり、部分入れ歯にはバネがあるもの・バネがないものに分けられます。
バネのある入れ歯は周囲の歯に金属バネを引っ掛けて固定する方法で、保険適用の治療です。一方、バネのない入れ歯は自然な見た目になるため、自費診療になります。
入れ歯はブリッジやインプラントと比べて手軽に、治療費を抑えて受けられる点が大きなメリットです。
ただし、入れ歯は食事や会話をしている最中に外れることがあり、天然の歯とは異なる使用感になります。食事や会話を楽しみにくく、ストレスに感じることもあるでしょう。
さらに、インプラントと比べて、入れ歯の寿命は1〜2年と短く、その都度作り直しをしなければなりません。毎日のメンテナンスや作り直しの必要性など、負担を感じる方もいるでしょう。
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、治療前のカウンセリングや術前検査、インプラント埋入手術の実施、手術後の定期的なメンテナンスといった流れがあります。
ここでは、「治療前」「手術」「手術後のメンテナンス」の3段階に分けて、詳しく解説します。
治療前
インプラント治療は外科手術であり、治療前のカウンセリングと術前検査をおこなわなければなりません。
まずは、歯科医師のもとでカウンセリングをおこない、現在の歯や口腔内の状態、全身状態をチェックします。インプラント治療についての説明を受けつつ、不安や疑問があれば治療前に解消することが大切です。
その後は、レントゲンやCT検査などを実施し、術前検査をおこないます。歯周病や虫歯の有無を確認し、必要時は治療を終えてからインプラント治療に進むことになるでしょう。
これらのCTや口腔内のデータをもとに、インプラント治療の計画を立てていきます。治療計画が立てられた後は、治療計画の説明を受け、納得できる場合は同意をして手術となる流れです。
手術
インプラント埋入手術は、局所麻酔や静脈内鎮静麻酔を使用して行います。緊張しやすい方や不安が強い方などは、静脈内鎮静法で手術を受けることが多いでしょう。
治療前に必ず説明を受けるため、不安や恐怖感が強い方は遠慮せずに医師に伝えましょう。
手術には1回法と2回法があり、医師の判断によってどちらの方法が適しているのかを選びます。
1回法は、インプラントを埋め込む顎の骨が十分な質量であることが絶対条件です。一方、2回法は顎の骨の質量が不十分な方が対象となります。1回目の手術後、インプラント体と顎の骨がしっかりと結合したことを確認してから、2回目の手術が行われます。
手術後のメンテナンス
インプラント埋入手術を受けた後は、インプラント周囲炎やインプラントの損傷などのトラブルが起きないように定期的なメンテナンスが必要です。
クリニックでの定期的な通院と併せて、自宅で行うセルフケアの指導も受けることになります。
手術後は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月など、定期的に通院し、問題がなければ年に1回の通院という流れになります。
インプラント治療を受ける歯科医院の選び方
インプラント治療にはメリット・デメリットがありますが、できるかぎりトラブルを予防するためには、治療を受ける歯科医院を慎重に選ぶことが大切です。
信頼できる歯科医院を選ぶ際のポイントは、以下の3つが挙げられます。
- 歯科医師の実績や経験が豊富である
- インプラント治療を提供する設備が充実している
- 丁寧なアフターケアが実施されている
また、自由診療であるインプラント治療では、「格安で治療が受けられる」と謳っている歯科医院があります。しかし、格安の歯科医院は以下のような危険があるかもしれません。
- 低品質のメーカーを使用している
- インプラント治療の実績が少ない
- 必要な医療機器を導入していない
- インプラント治療後のアフターケアがない
このように、治療費の安さを選ぶ基準にせず、治療の安全性を最優先に考えている歯科医院を選びましょう。
治療中のリスクを回避し、患者さんが安心して治療を受けられる取り組みを行っている歯科医院を見つけてみてください。
気になる歯科医院は、必ずカウンセリングや相談を受けて、歯科医師から十分な説明を受けるようにしましょう。
ワンデイスマイルで行うインプラント治療について
ワンデイスマイルインプラントクリニックは、24年以上にわたりインプラント治療を行っている医院です。患者さまの骨の状態に合わせたインプラントの種類・本数を選定し、負担が少ない治療に細心の注意を払っています。
また、定期的なメンテナンスや生活習慣の指導により、インプラントを長持ちさせるお口の健康作りをサポートしております。詳しくは、以下のページにて解説しておりますのでご参照ください。
≫ワンデイスマイル「当医院の治療」を見てみる
まとめ
インプラントとは、失った歯の代わりに顎の骨に人工歯を埋め込む治療です。治療を受けるメリットには、天然の歯と遜色ない使用感や、見た目の美しさ、適切なケアを行うと10〜15年と長持ちするといったものが挙げられます。
一方、治療費が高額なことや定期的なメンテナンスが必要であることをデメリットに感じる方もいるかもしれません。
このように、インプラント治療のメリット・デメリットを考慮したうえで、治療を検討している方は一度、歯科医院に相談してみることをおすすめします。
遠方の患者さまには「1泊インプラント」がおすすめ!
当院では県外からお越し頂く方向けに”最短1〜2日で治療”を行う1泊インプラントを提供しております。
一般的な歯科医院は歯科技工を外注する分、時間がかかり仮歯の装着まで7日以上かかります。
しかし当院では治療から人工歯の製作まで院内で完結するから、最短1〜2日での治療が可能です。
治療費などまずは話を聞いてみたいという方はお気軽にお問い合わせください。
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