
インプラント治療のセカンドオピニオンは、本当に必要なのでしょうか?
一生使い続ける歯のことだからこそ、一人の医師の判断だけで決めてしまうのではなく、別の専門家の意見を聞く「セカンドオピニオン」を受けるべきか迷うのは当然のことです。
この記事では、セカンドオピニオンの基本から費用相場、転院との違い、さらにはメリット・デメリットや相談の流れまで詳しく解説します。大切な歯とお金を無駄にしないためにも、治療前にぜひ参考にしてください。
セカンドオピニオンとは

インプラント治療におけるセカンドオピニオンとは、現在治療を受けている主治医とは別の歯科医師に診断や治療方針について第二の意見(助言)を求めることを指します。
特にインプラントのように外科手術を伴い、1本あたり数十万円にもなる高額治療かつ、治療後も食事や見た目など生活の質(QOL)に大きく影響する医療行為では、事前に他の専門家の意見を聞いておく意義は大いにあります。
歯科治療は医師ごとに診断や治療方針が異なり、また治療分野ごとの得意・不得意、扱うインプラントの種類や技法の習熟度にも差があります。そのため残念ながら、中には「本当は得意じゃない分野だけど、頑張って対応している」といったケースが起こり得るのが実情です。
さらに、インプラント治療は自由診療であるゆえに、医院ごとに費用差が大きい側面も持ち合わせています。こういった複数の観点から「知らずに治療を進めて後悔した」という声も少なくありません。後悔を未然に防ぐという意味でも、セカンドオピニオンは非常に重要かつ有意義だと言えるでしょう。
セカンドオピニオンの費用
セカンドオピニオンを受ける際には相談料が発生し、その相場は30分あたり5,000円〜2万円程度とされています。
セカンドオピニオンも自由診療扱いであり、費用は全額自己負担です。またレントゲンやCT撮影が必要になった場合は、相談料とは別に検査費用が加算されることが一般的です。
相談時間は通常30分、長くても1時間以内に設定されていることが多い傾向にあります。なお、医師を指定してセカンドオピニオンを希望したり、時間延長で追加費用がかかるケースもあります。
セカンドオピニオンと転院の違い
混同されることがありますが、セカンドオピニオン=転院ではありません。
セカンドオピニオンは、現在の主治医のもとで治療を続けながら中立的なアドバイスを得るための制度であり、「セカンドオピニオンを受けること=転院先を探す・変えるための行為」ではありません。
もちろんセカンドオピニオンを受けた結果、「別の医師のもとでインプラント治療を受けたい」と思ったのであれば、その医療機関で初診の手続きを取り、改めて治療計画を立てることで治療を受けることもできます。
ただし、セカンドオピニオンの最大目的は、現状の診断結果に対して第三者の意見を求め、妥当性を測ることにあります。そのため、「主治医の診断結果はおかしい!変えてやる!」と全否定の状態でセカンドオピニオンを受けてしまうと、セカンドオピニオン先でも不満を抱えたままになる可能性があります。
セカンドオピニオンのメリット

セカンドオピニオンのメリットは、主に次のとおりです。
- 現状の診断結果の妥当性がわかる
- 誤診や過剰な治療を避けられる
- 治療方法や費用を比較検討できる
現状の診断結果の妥当性がわかる
セカンドオピニオンを受ける最大のメリットは、現在の診断や治療計画が適切かどうかを確認できることです。
別の歯科医師が同じ症状や検査データを見れば、今の主治医と同じ結論になるのか、それとも異なる見解が示されるのかがわかります。もし第二の意見も主治医と同じであれば、患者は診断の妥当性を再確認でき、より安心して治療に臨めるでしょう。
一方、異なる意見や治療法が提示された場合、選択肢が広がると同時に、最初の診断や方針が唯一ではないことがわかります。例えば、主治医から「治療には抜歯が必要」と言われたとして、他院では歯を残す治療法を提案されることもあります。
いずれの場合も複数の意見を比較検討することで、現在の診断の妥当性を客観的に評価できます。別の医師の説明を聞くことで病状への理解が深まり、結果として元の治療方針にも自信を持てるようになるケースもあります。
誤診や過剰な治療を避けられる
セカンドオピニオンにより、誤った診断や不要な治療を回避できる可能性が高まります。
米国メイヨー・クリニックの研究によると、セカンドオピニオンを求めた患者のうち21%が最初の診断から全く別のものに変更され、66%で診断内容が精密化・修正されたことが報告されています。
歯科分野でも同様に、セカンドオピニオンによって本来不要だった治療や見落としていた問題点が浮き彫りになることがあります。例えば「この部分をインプラントにする必要はない」「別の治療法のほうが安全」といった指摘が得られれば、過剰治療やリスクの高い処置を避けられるでしょう。
治療方法や費用を比較検討できる
セカンドオピニオンを利用することで、異なる治療法や費用を比較検討できる点も大きなメリットです。
インプラント治療は歯科医院によって提案される方法や使用するインプラントの種類・技術が異なり、治療費にも大きな幅があります。
例えば、ある歯科医師はインプラント治療に加え、高度な再生医療を提案する一方、別の歯科医師はブリッジや入れ歯の併用や低コストな選択肢を提示してくれるかもしれません。同時に複数の見積もりを得ることもできるため、現状の治療費が適正か判断する材料にもなります。
セカンドオピニオンのデメリット

一方、セカンドオピニオンには注意すべき下記デメリットも存在します。
- 費用がかかる
- 紹介状がないと追加費用がかかる
- 制限時間がある
費用がかかる
平たく言えば、セカンドオピニオンは相談ですが、それでも費用は発生します。
そして、前述の通りセカンドオピニオンは保険適用外であるため、相談料は全額自己負担です。したがって主治医の診察とは別に、新たに相談料を支払う必要があります。
一般的な歯科医院であれば数千円〜1万円台のことが多いですが、大学病院や専門機関では数万円に及ぶ場合もあります。また遠方の専門医に相談する場合は、交通費や宿泊費なども考慮する必要があります。
複数の医院でセカンドオピニオンを重ねれば、それだけ安心感や判断材料が増える一方で、その都度費用がかさんでしまう点には注意が必要です。
紹介状がないと追加費用がかかる
主治医からの紹介状がない場合、セカンドオピニオン先で追加費用が生じる可能性があります。
紹介状(診療情報提供書)とは、これまでの診療内容や検査結果をまとめた書類で、セカンドオピニオンを受ける際には持参したいものです。紹介状がない場合、新しい歯科医師は患者の口頭説明や簡易的なチェックだけで判断せざるを得ず、正確な診断が難しくなる恐れがあります。
そのため、レントゲン写真やCT画像などを改めて撮り直したり、検査をやり直したりする必要が生じ、検査費用が余計にかかってしまうことがあります。特に大きな病院では、紹介状なしで受診すると「紹介状なし加算料(特定療養費)」として数千円以上の追加料金が発生する制度もあります。
なお、何らかの事情で主治医にセカンドオピニオンを伝えにくく紹介状が得られない場合もあるかと思います。その場合も相談自体は可能かつ、主治医にセカンドオピニオンを受けたことが通知されることもありません。しかし、上述のデメリットが避けられない点は予め理解しておく必要があります。
制限時間がある
納得いくまでしっかり相談したい方も多いと思いますが、セカンドオピニオンには制限時間があります。
一般的にセカンドオピニオン外来の相談時間は30分程度で、長くても1時間以内と決められていることがほとんどです。限られた時間内で効率的に話を聞く必要があるため、事前に相談内容を整理しておかなければ十分な助言を得られない恐れがあります。
特にインプラントの相談は、治療歴や口腔内の状況、患者の希望など情報が多岐にわたります。時間内に疑問を全て聞けるよう、質問リストを作成しておくことが重要です。相談当日は主訴(何に悩んでいるか)や疑問点を簡潔に伝え、医師からの説明を聞いた上で要点について質問するようにしましょう。
なお、セカンドオピニオンは完全予約制であることが一般的で、日時が限られているケースが多いです。これに加え、忙しい専門医ほど相談枠が少ない傾向にあるため、限られた相談時間を有効活用できるように、しっかり準備をしておくのがポイントです。
セカンドオピニオンの流れ

セカンドオピニオンを受ける際の流れは、次のようになります。
- ①インプラント治療に精通している歯科医師を探す
- ②主治医にセカンドオピニオンを受ける旨を伝える
- ③主治医に紹介状を作ってもらう
- ④紹介状を持参してセカンドオピニオン先に来院する
- ⑤主治医のもとで治療または転院を決める
①インプラント治療に精通している歯科医師を探す
まず最初に、インプラントの知識・経験が豊富な歯科医師を探しましょう。
セカンドオピニオンの価値は相談相手の専門性に大きく左右されます。インプラント治療は高度な技術を要するため、可能であればインプラント専門医や口腔外科の経験がある医師、インプラント症例が多いクリニックを選ぶのが理想です。
経験豊富な医師ほど様々なケースを見ているため、現在の主治医とは異なる切り口でのアドバイスが期待できます。またインプラントには多数のメーカーや施術法があり、医院によって扱う装置が異なります。
インターネット上の口コミなどで評判を調べ、信頼できそうな専門クリニックをリストアップしてみましょう。セカンドオピニオン先としてふさわしい歯科医院を見つけることが第一歩です。
②主治医にセカンドオピニオンを受ける旨を伝える
次に、現在の主治医に対してセカンドオピニオンを希望していることを伝えましょう。
言い出しにくいと感じるかもしれませんが、患者が別の医師の意見を求めることは正当な権利であり、多くの歯科医師は理解してくれます。
伝え方としては「治療内容について他の先生の意見も聞いてみたいです」など、丁寧に申し出ると良いでしょう。ほとんどの場合、主治医も患者さんの不安を和らげるために協力してくれます。まれに面白く思われないケースもありますが、ご自身の身体に関わることであるため、遠慮せずに希望を伝えましょう。
なお、前述のとおり、主治医に言わずにセカンドオピニオンを受けることもできますが、追加費用などのデメリットがある点は忘れないようにしましょう。
③主治医に紹介状を作ってもらう
主治医にセカンドオピニオン希望の旨を伝えたら、紹介状(診療情報提供書)を作成してもらいましょう。
紹介状には現在までの診断名や治療内容、検査結果、口腔内の状態などが詳しく記載されています。併せてレントゲン写真やCT画像のデータも用意してもらえるよう依頼してください。多くの歯科医院では依頼すれば快く対応してくれるはずです。
依頼の際は受付や主治医に「他の先生の意見も参考にしたく、紹介状と画像データをいただけますか」といった形でお願いするとスムーズです。紹介状が手元にあれば、セカンドオピニオン先の医師は現在の治療経過や検査所見を正確に把握した上でアドバイスをしてくれます。
また、治療中の方は服用中の薬やアレルギー情報なども併せて伝えられるよう、お薬手帳や治療内容をまとめたメモがあると安心です。これらの資料準備に多少時間と手間はかかりますが、セカンドオピニオンをより有意義なものにするためには大切なことです。
④紹介状を持参してセカンドオピニオン先に来院する
準備が整ったら、予約したセカンドオピニオン先の歯科医院を受診します。
予約日時に受付で「セカンドオピニオンの相談で来ました」と伝え、紹介状などの資料一式を提出しましょう。主な持ち物は、紹介状・レントゲン/CT画像・保険証・お薬手帳・質問リストなど、いずれも忘れずに持参してください。
カウンセリングでは、まず持参資料に基づいて現状や治療内容についてヒアリングが行われ、必要に応じて追加の口腔内検査を実施した上で意見を述べてくれます。ちなみに、セカンドオピニオンの場で新たな治療を開始するわけではないため、リラックスして相談に臨んで問題ありません。
相談が終わったら、医師の意見を踏まえ自分としてはどうしたいか考えてみましょう。なお、セカンドオピニオンの診断結果が書面(報告書)で欲しい場合、予め依頼できるか確認しておくと安心です。
⑤主治医のもとで治療または転院を決める
セカンドオピニオンで得られた情報をもとに、今後の治療方針を決めましょう。
相談後すぐに結論を出す必要はなく、主治医とセカンドオピニオンの診断内容を冷静に整理するところから始めてみてください。
両者が同じ結論であれば、現在の主治医のもとで治療を続けることに不安は少なくなるはずです。異なる意見が出た場合は、どちらの治療法が自分に合っているか慎重に比較検討します。主治医に「セカンドオピニオンでこのような意見をもらったが、どう思いますか?」とフィードバックするのも良い方法です。
いずれにしても、最終的な決断は患者自身にゆだねられている点を忘れないでください。重要なのは、自分が十分に納得できる治療を選ぶことです。セカンドオピニオンで得た知見を活かし、悔いのない判断をしてください。
遠方の患者さまには「1泊インプラント」がおすすめ!
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