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2025.01.31

老後はインプラント治療が難しい?高齢者が抱える問題点とインプラントのメリット

この記事の監修

口腔外科部長 坪井 陽一
口腔外科部長/日本口腔外科学会認定専門医坪井 陽一

入れ歯やブリッジと並んで、欠損した歯を補うために用いられるインプラント。特に歯を失うことが多い高齢者にとって必要になる治療法ですが、老後にインプラント治療を受けるのは意外に難しいことをご存じでしょうか?

しかし高齢になったからといって絶対にインプラント治療が受けられないわけではありません。今回は老後にインプラント治療を行う際の問題点や、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

高齢者にはインプラントが必要?

高齢になるほど歯周病など歯や歯肉の病気になり、歯を失う人の割合が多くなります。令和4年に実施された厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、20本以上の自分の歯を有している人の割合は60歳未満では90%以上ですが、75歳以上では50%程度、85歳以上では38%にまで減少します。

※参考:令和4年歯科疾患実態調査 表16.20本以上の歯を有する者の数及び割合
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-17b_r04.pdf

歯を失うと審美性が悪くなるだけでなく、食事がとりにくくなったり滑舌が悪くなったりと日常生活に影響を及ぼします。

抜けた歯を補うためには入れ歯やインプラントといった歯の代わりになるものが必要です。保険適応で体への負担も少ない入れ歯を選択する方が多い一方で、長期の使用を考えてインプラントを検討される方もいます。

老後のインプラント治療が難しいといわれる4つの理由

「老後のインプラントはやめた方がいい」という話を耳にしたことはありませんか?一般的に歳を重ねるほどインプラント治療は難しくなるといわれています。ここではその4つの理由について解説します。

1.経済的な負担が大きい

インプラント治療は、手術費用を含めると1本あたり30万円を超える場合もあります。年金生活の厳しさや医療費の増加が社会問題となっている中で、インプラント治療は大きな経済的負担となることが多いでしょう。

また、インプラントは手術後も定期的なメンテナンスのために通院を続ける必要があります。そのため、手術費用だけでなく、通院にかかる費用も発生し、長期的なコストを考慮することが重要です。

2.長期にわたる通院が困難

インプラント治療は1回の手術で終わるものではありません。顎の骨にインプラントの土台となる装置を埋め込み、骨と定着するまでに数か月の期間を要します。

短くても2〜3ヵ月、うまく定着せずにやり直しとなれば半年以上かかることもあるでしょう。また術後のメンテナンスも含めると、1年程度は歯科医院に通院する必要があります。

老後は体力の低下により長期間の通院が難しくなってくるため、インプラント治療は高齢者向きとはいえません。また急病やケガにより入院や寝たきりとなり、治療が中止になるリスクも考えられます。

3.外科的手術に耐える体力がない

装着するだけの入れ歯とは違い、インプラントは骨に埋め込む治療です。歯茎を切開したり、顎の骨を削ったりといった外科的手術を伴います。

体への負担は抜歯と変わらないといわれていますが、麻酔を使用することや細菌が入り込む可能性を考えると、高齢者にとっては影響が大きいといえるでしょう。

4.持病や骨の状態により手術が受けられない

インプラント治療を行うためには、土台を埋め込むための十分にしっかりとした顎の骨が必要です。しかし、高齢者の場合、歯周病を患っている方が多く、それによって顎の骨が痩せてしまっているケースも少なくありません。もともと骨が薄い場合や骨粗鬆症の持病がある場合も、手術できない可能性があります。

また傷口の治りが遅くなる糖尿病などの全身疾患や、服薬状況によっても手術が難しいケースがあります。インプラントを希望する際には、かかりつけの医師と相談のうえで検討してみましょう。

老後にインプラントを行うメリット

老後のインプラントは難しいとされる一方で、治療が成功したときのメリットも大きいです。

歯並びがきれいになる

インプラントはブリッジや入れ歯に比べて審美性が高く、パッと見た限りではインプラントと気づかれにくいほど自然です。

加齢によって歯が抜けるとどうしても老け込んで見えるため、人前で笑うことが恥ずかしく感じることもあるでしょう。インプラントで歯並びをきれいにすれば、見た目が若々しく見え、自信もつくはずです。

噛む能力を維持できる

高齢者にとって「お口の健康」を維持することは非常に大切です。歯の欠損によって食べ物が食べづらくなると、食事が柔らかいものや噛みきりやすいものに偏っていきます。次第に食事自体を楽しめなくなっていき、食欲が無くなれば栄養が不足してしまうのです。

インプラントは自分の歯のように食べ物を噛み締めることができるため、今まで通り食事を楽しめます。

認知症の発症予防にも

歯が欠損したまま生活している人は、そうでない人に比べて認知症リスクが高まるというデータがあります。噛むことは栄養面だけでなく、脳の活性化や血流促進にも関係しているのです。

インプラントを導入すれば、食事の制限がなくなってさまざまなものが食べられるようになります。味覚による脳への刺激が認知症予防に効果的です。

コミュニケーションがとりやすくなる

歯が抜けていると、言葉をうまく発音できなくなることがあり、相手にとって聞き取りづらく感じる場合があります。何度も聞き返されたり、うまく伝わらなかったりといったことが続けば、他者とコミュニケーションを避けるようになってしまうでしょう。

インプラントで欠損した歯を埋めることにより、言葉がはっきりと発せられるためコミュニケーションがとりやすくなります。

普通の歯のようにケアできる

インプラントは顎の骨に器具を埋め込む治療であるため、他の歯と同じようにブラッシングやフロスをするだけでケアができます。一方で入れ歯は一度取り外して、入れ歯専用のブラシで磨くという手間が必要です。また一日の終わりには洗浄液に浸けて清潔に保つ必要があるため、洗浄液や専用のケースといったケア用品をそろえなくてはなりません。長期的な管理の手軽さではインプラントの方が優れています。

「インプラント周囲炎」に注意!

インプラントは普通の歯と違って虫歯になることはありませんが、歯周病のような状態になる「インプラント周囲炎」には注意が必要です。インプラント周囲炎とはインプラント周辺の歯肉などが炎症を起こした状態であり、歯肉が赤くなったり出血が見られたりします。

気づかずに放置すれば、膿が出てきて歯周ポケットが深くなり、インプラントがぐらついたり外れてしまったりします。このような状態まで進行するとインプラントの再手術は難しいといえるでしょう。

インプラント周囲炎の原因のほとんどは、口内の清掃不足です。インプラント治療を受けたあとは適切にセルフケアをし、インプラント周囲炎にならないよう注意が必要です。

特に高齢者の場合は筋力の低下によりうまくブラッシングできなかったり、認知症の影響でセルフケアが十分にできなかったりする場合も考えられます。自分でできない場合は、ご家族やヘルパーの方にも手伝ってもらいながらお口の中の清潔を保ちましょう。

老後にインプラントを希望する際は歯科医院選びが重要

近年インプラント治療は注目を集めており、治療を行う歯科医院も増えてきました。しかし「近いから」「もともと通っていたから」などの理由で、安易にインプラント治療を受ける歯科医院を選ぶのはおすすめできません。

インプラントは10年以上にわたってお口の健康を維持するものです。値段も高価であることから、後悔しないよう信頼できる歯科医院に依頼しましょう。

インプラントの症例数が多く、骨が薄い場合でも対応できる歯科医院がおすすめです。公式のホームページや口コミなどを確認してみましょう。

まとめ

老後のインプラント治療は一般的に難しいといわれています。しかし歯を失いやすいのも歳を重ねてからです。入れ歯よりも費用は高いものの、噛む力の維持や快適さを重視してインプラントを選びたいと考える高齢者も少なくないでしょう。

老後でもインプラント治療は不可能ではありません。気になる方は経験豊富な歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。

▼患者様ごとに各専門分野がチームを組織して行う「インプラント治療」

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設立24年、埋入本数30,000本/年間2,300本と信頼のクリニックです。

ワンデイスマイルインプラントクリニックは、インプラント治療の専門医院にて検査や診断カウンセリングが充実しております。具体的な治療のお見積もりとご希望の治療設計について、患者様に納得頂いてから治療を進めますのでご安心ください。また、インプラント治療(人工歯根部)については永久保証で対応させて頂いております。

※当院のメインテナンス制度受診の方に限ります。

遠方の患者さまには「1泊インプラント」がおすすめ!

当院では県外からお越し頂く方向けに”最短1〜2日で治療”を行う1泊インプラントを提供しております。

一般的な歯科医院は歯科技工を外注する分、時間がかかり仮歯の装着まで7日以上かかります。
しかし当院では治療から人工歯の製作まで院内で完結するから、最短1〜2日での治療が可能です。

治療費などまずは話を聞いてみたいという方はお気軽にお問い合わせください。

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