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2025.01.31

入れ歯とインプラントの違いは?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説

この記事の監修

口腔外科部長 坪井 陽一
口腔外科部長/日本口腔外科学会認定専門医坪井 陽一

加齢などの影響で自分の歯を失った場合、入れ歯やインプラントを選択肢として検討する方が多いでしょう。しかし、両者の違いがわからず、治療を決断できない方も少なくありません。

それぞれの治療には、費用や手術の有無、治療後のお手入れ方法など、さまざまな違いがあります。一見似ているように見えますが、実は大きな差があるのです。

今回は入れ歯とインプラントの違いについて、メリットやデメリットも含めて解説します。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った治療法を選択しましょう。

入れ歯とインプラントの違いは?

まずは入れ歯とインプラントの違いについて、簡単に解説します。

手術の必要性

入れ歯の場合、隣の歯を削るなどの処置をする場合はありますが、特別な手術は必要ありません。一方インプラントの場合は、顎の骨にインプラントの部品を埋め込むため、歯茎を切開する、顎の骨を削るといった外科的手術が必要になります。

そのため入れ歯の場合は幅広い症例で装着が可能なのに対し、インプラントは糖尿病や骨粗しょう症などの全身に影響を及ぼす持病がある場合、手術を受けられない可能性があります。

治療にかかる費用

入れ歯は保険診療の対象になるケースとそうでないケースがありますが、保険診療の場合は3割の負担で済みます。そのため数千円から数万円程度の負担で済む場合が多いでしょう。

一方インプラント治療は自費診療となるため、インプラント代から検査費、手術費用まですべて自己負担となります。インプラントの素材や歯科医院でも異なりますが、1歯あたり30〜50万円くらいかかるのが一般的です。(※)

複数の歯を治療するとなるとそれだけ費用がかさむため、まとまったお金が必要となるでしょう。

※事故や病気などで大幅に歯や顎骨を失い、医療的に必要と認められる場合など、健康保険が適用される場合も一部あります。

治療に要する期間

入れ歯は数回の通院で作成できるため、治療にかかる期間はおよそ1か月程度です。装着後に微調整が必要となるケースもありますが、それほど長い期間はかかりません。

しかしインプラントの場合は、部品を顎の骨に埋め込む手術をしてから骨に定着するまでに3か月から半年程度かかります。また顎の骨が薄く埋め込みが困難な場合は骨を増やすための治療をしたり、うまく定着しない場合はやり直しになったりすることもあります。

一つ一つの工程に時間がかかるため、治療完了までには長い期間が必要になるでしょう。

治療後のお手入れ方法

入れ歯は取り外しが可能なため、口の中から出してお手入れをします。入れ歯専用のブラシで磨いたり、定期的に専用の洗浄液に浸けたりする必要があり、慣れるまでは手間に感じられるかもしれません。また入れ歯を装着していると口腔内にも汚れや雑菌が溜まりやすくなるため、丁寧なケアが必要になるでしょう。

インプラントは普通の歯と同じようなお手入れ方法で問題ありません。いつもと同じように歯ブラシで磨くだけでお手入れ完了です。ただし定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。

見た目

入れ歯は天然歯と比べると不自然だったり、装着するための金具が見えてしまったりと見た目が気になる場合があります。一方で、インプラントは天然歯に近い自然な仕上がりになるため、見た目にほとんど影響を与えません。

入れ歯の種類とメリット・デメリットについて

次に、入れ歯の種類とメリット・デメリットについて紹介します。

総入れ歯と部分入れ歯

入れ歯には、上顎か下顎の歯をすべて入れ歯に置き換える総入れ歯と、部分的に入れ歯を装着する部分入れ歯の2種類があります。歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯を装着して健康な歯はそのまま残せます。

総入れ歯の場合は歯茎全体を覆うように取り付けられ、粘膜に吸着させる形で取り付けられます。部分入れ歯の場合は既存の歯に「クラスプ」という金具を引っかけて固定します。どちらがいいのかは歯科医師に口腔内の状態を診てもらったうえで判断してもらいましょう。

入れ歯のメリット

入れ歯のメリットは身体的・金銭的負担を最小限に留めて失った歯を補えることです。素材や使用感にこだわりがなければ保険診療の対象となるため、5,000円程度で済む場合もあるでしょう。手術が不要なため、持病がある方や顎の骨が十分でない場合でも、多くの場合に対応可能です。

また、治療が短期間で済むのもメリットの1つ。忙しくて歯科医院に通うのが難しいという方でも、数回ですべての治療を終えることができます。

入れ歯のデメリット

入れ歯のデメリットは手入れが大変なことです。入れ歯は普通の歯のようなケアはできず、取り外して清掃する必要があります。普通の歯よりも汚れがつきやすいため念入りなケアが必要で、不十分だと虫歯や歯周病になってしまうリスクが高まります。

また噛む力が完全には戻らないこともデメリットといえます。例えばすべて自分の歯の人の噛む力を100%とした場合、入れ歯がある人の噛む力は総入れ歯で10〜20%。部分入れ歯でも30〜40%ほどだといわれています。入れ歯の人が硬いものを避けるのはこのためです。

他にも寿命が短く定期的に交換する必要がある、プラスチックの厚みで浮いた感覚があって不快に感じるなどのデメリットがあります。

インプラントのメリット・デメリットについて

続いて、インプラントのメリットとデメリットについて紹介します。

インプラントのメリット

インプラントのメリットは見た目・機能ともに天然歯とほとんど変わらないことです。部分入れ歯のように金具が見えることがなく審美性が高いうえに、噛む力もほとんど同じだといわれています。そのうえ入れ歯のように取り外して掃除する手間もなくケアやメンテナンスが簡単です。

また入れ歯の場合は残っている歯に負担がかかったり、歯根に刺激がいかなくなって骨が痩せたりすることがありますが、インプラントはその心配もありません。

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットは多額の治療費が必要になる点と、治療が長期化しやすい点です。また外科的手術を伴うため身体的負担が大きいのもデメリットの1つ。高齢者では手術ができないためにインプラントが選択肢から外れることもあります。

入れ歯とインプラントどっちを選んだらいいの?

入れ歯とインプラント、どちらが自分に合っているのかを判断するためのポイントを解説します。

入れ歯が向いている人

次のような方には入れ歯が向いています。

  • なるべく安く済ませたい
  • 長期にわたる通院が困難
  • 欠損している歯の本数が多い
  • 手術が難しい持病がある

なるべく安く早くを求めているなら入れ歯が向いています。入れ歯なら保険診療の対象であるため、経済的な負担が少なく、治療にかかる期間も短めです。また欠損している歯の本数が多いと、インプラント治療は高額になります。入れ歯でまとめて補う選択をした方が、金銭的負担が少なく済むでしょう。

また顎の骨が痩せていてインプラントを埋め込むのが難しい、糖尿病など手術が困難な持病を抱えているなどといった問題を抱えている方でも、入れ歯なら幅広く対応できます。

インプラント治療が向いている人

一方で、次のような方にはインプラントが向いています。

  • しっかり噛めるようになりたい
  • 見た目の美しさにこだわりたい
  • 入れ歯に抵抗がある
  • 日常のお手入れに手間をかけたくない

食べ物を選ばずしっかり噛んで食べる生活を取り戻したいなら、インプラントがおすすめです。インプラントなら入れ歯のような違和感も少なく、もともとの歯のようにしっかり噛むことができます。義歯と分からない自然な見た目を実現できるのもインプラントです。

また中には入れ歯自体に抵抗を感じる方もいるでしょう。口の中に手を入れて付け外しするのを人に見られたくなかったり、入れ歯が不潔に感じられたりする方にもインプラントはおすすめです。

入れ歯とインプラントのいずれかを希望することはもちろん可能ですが、最終的には歯科医師の判断になります。プロである歯科医師の意見も聞きながら慎重に検討しましょう。

入れ歯とインプラントは併用もできる

インプラントと入れ歯を併用することを「インプラントオーバーデンチャー」といいます。通常入れ歯は歯茎や口蓋の粘膜に吸着したり、隣の歯に金具で引っかけて固定しますが、インプラントオーバーデンチャーではインプラントによって入れ歯を固定します。

入れ歯よりも安定感があるため、噛む力は天然歯とそれほど変わりません。インプラントとは違って着脱ができ、部分入れ歯にも対応可能です。ただし外科的手術が必要な点と、治療費が高額になる点はインプラントと同様です。

まとめ

入れ歯とインプラントは失った歯の代わりという役割は同じですが、その特徴は大きく異なります。価格の安さや治療完了までのスピードを重視する場合は、入れ歯を選びましょう。一方、審美性やお手入れのしやすさ、噛む力の強さなど機能面を重視するならインプラントがおすすめです。

ただし口腔内の状況やライフスタイル、金銭的負担を考えると希望に合った処置を受けられないこともあります。詳しくはかかりつけの歯科医師や入れ歯・インプラントの専門医に相談してみてください。

▼患者様ごとに各専門分野がチームを組織して行う「インプラント治療」
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設立24年、埋入本数30,000本/年間2,300本と信頼のクリニックです。

ワンデイスマイルインプラントクリニックは、インプラント治療の専門医院にて検査や診断カウンセリングが充実しております。具体的な治療のお見積もりとご希望の治療設計について、患者様に納得頂いてから治療を進めますのでご安心ください。また、インプラント治療(人工歯根部)については永久保証で対応させて頂いております。
※当院のメインテナンス制度受診の方に限ります。

遠方の患者さまには「1泊インプラント」がおすすめ!

当院では県外からお越し頂く方向けに”最短1〜2日で治療”を行う1泊インプラントを提供しております。

一般的な歯科医院は歯科技工を外注する分、時間がかかり仮歯の装着まで7日以上かかります。
しかし当院では治療から人工歯の製作まで院内で完結するから、最短1〜2日での治療が可能です。

治療費などまずは話を聞いてみたいという方はお気軽にお問い合わせください。

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